20歳代の調理師の男性、妻との2人暮らしで、収入は28万円。夫婦で当協会に相談。

夫は、独身時代の借金について市の法律相談を利用して弁護士に相談し、自ら2社に対し時効援用の通知を出した。1社は時効完成となったが、1社からは、約4年前に取引があり時効は中断していると反論されたため、当協会に相談してきたもの。

妻は、これから子供も生まれるので、しっかりした生活設計で暮らしを立てたいと、速やかな債務の整理を希望し、それへの協力は惜しまないと固く決心していた。

協会として本件に介入することとしたが、その後、簡易裁判所から相談者宛てに、当該債権者が申し立てた約60万円の支払督促状が届いた。しかも、協会の介入日の約1カ月前の日付となっている。事情を調べたところ、妊娠中の妻が実家に帰っていて受領できなかったため、督促状は一旦裁判所に返送され、再配達されたものであることが判った。

弁護士カウンセラーからは、申立期間内に異議申し立てするように指導。その上で、引き直し計算後の約30万円余りの一括返済を、協会から督促業者に提案し、和解契約に至った。

初めての子供の誕生を前に、相談者は独身時代の債務を完済することができた。今後はしっかり者の妻や可愛い子供とともに暖かい家庭と堅実な暮らしを築いてほしいと願うばかりである。