クレジットやローンの借金返済、多重債務の解決は公益財団法人日本クレジットカウンセリング協会にご相談ください。

JCCO 日本クレジットカウンセリング協会

病気と闘いながらの返済

難病を9年前から患う50歳代の主婦、夫と寝たきりの義母と3人で暮らしている。夫と共有名義のマンションを所有し、住宅ローンは夫名義で返済中。発病するまではフリーで店舗のディスプレイの仕事をしていた。

発病当初は病名も分からず難病指定による医療費免除もなくて医療費は嵩んだ。体調不良で仕事も少しずつ出来なくなり、収入が減って、住宅ローンの支払いや固定資産税の支払いが遅れがちに。信販会社の利用も枠が一杯になってしまい、どうしようかと当協会に相談した。

債務額は信販会社3社で75万円。家計の収支は、本人の病気手当、夫の年金とアルバイト、母の年金で約31万円の収入、支出は約30万円で返済原資としては1万円が限界であった。

もともとは夫と2人暮らしであったが、夫の兄の会社が倒産したため、母親と兄の子供2人を引き取り10年にわたって育ててきた。連帯保証人であった夫の債務も返済した。現在は、その子供たちは成人し独立したものの、寝たきりの母親の介護に明け暮れている状況。そんな中での相談者の病気で、経済的に困難な状況に陥ったばかりか、精神的にもぎりぎりの状態となっていた。

引き直し計算の結果、債務額は約67万円、60回払いでの返済を想定し、支払い原資として月1万2千円の確保を目指した。しかし、家計を見直しながらやり繰りをしてみたが、1万2千円を継続して貯めることが出来ず、時には1万円、時には8千円となってしまったため、比較的債務額の少ないところは一括で返済することとした。

介入から7カ月、返済原資が貯まったところで1社は一括返済提案、他の2社については分割提案をした。一括の提案は和解となったが、他の信販会社は、1カ月の支払額が少ないという理由と、返済総額が協会提案額では折り合わず、保留になってしまった。

その間もカウンセリングは続け、家計簿を付けながら返済原資をこつこつ貯めていった結果、初めの提案から8カ月後に、1社についてまた一括提案することが出来、和解となった。残りの1社については額も大きく、なかなか和解が難しいと憂慮されたが、2社目の提案から8カ月後に、貯まった返済原資を頭金にして再度分割提案をしたところ、協会提案の額で和解となった。

今回の和解は、難病という困難な状況の中にあってもコツコツと頑張った相談者の真面目さが功を奏したと感慨深い。

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