30歳代の男性会社員、正社員で1人暮らし。月収は16万円、ボーナスは18万円位が年2回支給される。10年以上前からクレジット会社や銀行のカードを使って、借入れやショッピングを続けていたところ、債務が膨らみ、借りては返す状態となっていた。また途中、事故にあって休職したことで更に返済に追われるようになり、弁護士に相談、自己破産を勧められていたが、実家の住宅ローンの連帯債務者になっているため絶対に破産したくないと、精神的に追い詰められた状態で協会に相談があった。

債務額は７社で約4百万円。取引期間が長く、債務額が減る可能性があるものもあったが、返済原資として月5～6万円必要なことを説明の上、破産もひとつの選択肢であると勧めてみた。しかし相談者は、毎月5万円、ボーナス月は10万円貯めることができるので、どうしても任意整理をして欲しいと強く希望していた。

いったん介入して、その後3回に渡りカウンセリングを行ったところ、本人の意思の強さからか、カードに頼っていた生活から見違えるように立ち直り、毎月約束通りの返済原資を貯め、家計もきちんと管理できるようになった。

一方、引き直し計算の結果、債務額は3百万円余りに減少、1社は過払いになった。協会から残債務について60回の分割和解を債権者に提案したところ、6社中4社は協会基準で和解、残念ながら2社はどうしても協会を介して和解することができなかったため、過払い案件とともに弁護士会を紹介することとなった。

今後長期に渡って返済が続くことになるが、終了カウンセリング時には相談者はとても元気になっていて、きっと完済まで頑張られることと思う。