JCCO 日本クレジットカウンセリング協会

孤独な相談者に寄り添って

30歳代の独身女性。債務はクレジット3社から約50万円。うち1社は、着付け教室で勧められた60万円の着物を月10万円の6回分割払いで購入したもの。3回まで支払ったが、手取り収入20万円余からの返済は厳しく、減収もあって行き詰った。月々の返済の減額を、自分でクレジット会社と交渉したが、弁護士が介入しなければ応じないと言われ、困って当協会へ相談した。

独身で1人暮らしの場合、収入に占める住居費の負担が大きく、生活を圧迫することが多い。そのため、まず実家に戻って家貸等の負担を減らし、返済原資を確保できないかを検討するのが通例だが、相談者には頼れる身内が1人もいなかった。10代の頃に両親が離婚し母親が出ていったこと、その後、父が他界し祖父と同居していたこと。最近、その祖父も亡くなって、1人暮らしになったこと、クレジットの支払いで困っても誰にも相談できなかったことなどが涙と共に語られた。

協会が介入すれば業者からの請求が止まり、3年ほどの分割払いで毎月の支払の負担が減ること、業者との交渉は協会が全部するとの弁護士の説明に、彼女は安堵の表情を見せた。

3社分の返済原資を月2万円と決め、今後は家計簿を記帳し、大きな買い物は予算を立てて購入すること等を助言した。誰にも話せなかった辛い過去を話してすっきりしたのか、カウンセリングを重ねる毎に彼女の表情が明るくなっていった。

返済原資の積み立ても順調で、毎月の家計簿とプール金通帳のファックスが届き、2社は一括返済し、分割払いで和解した1社も、予定より早く完済できた。完済時にはお礼の電話があり「家計簿の記帳が習慣になったので、今後は家計簿と相談しながら生活したい。」と話してくれた。身寄りもなく、故郷を離れて1人で暮らす彼女が、この経験を生かして、今後幸せな家庭を築いてくれる事を祈らずにはいられない。