JCCO 日本クレジットカウンセリング協会

本人の努力と家族の協力で

30歳代の会社員の男性。妻にパチンコでの借金250万円がばれて、夫婦で相談に来た。パチンコは20代から始め借金があったが、結婚前に親族の援助で完済。もうパチンコはやめると約束したが、隠れてクレジットカードを1枚持ち続けパチンコをしていた。借金を返すためにパチンコで勝たねばならないと思い込んでいたと言う。

弁護士は、自己破産をしてギャンブル依存症の治療を優先するようアドバイスした。収入から生活費を除くと、返済の原資として必要な6万円の確保は困難と見られたからであったが、夫婦は返済することによって立ち直りたいと強く主張した。それまで別々だった夫婦の財布を一つにして、予算をたて節約するという。家計簿をつけるのは夫の役割となった。

予算書、家計簿を毎月作成することで、相談者は、家計にどれだけお金がかかっているかを初めて知った。日々の節約と緻密な家計管理を続けて、妻の信頼も少しずつ取り戻すことができた。夫は嘘をつかなくていい心地よさと、家での居場所を見つけて、パチンコから足が遠のき、表情も穏やかになった。返済と並行して貯金を続け、近々借金を完済できる見込みである。

ギャンブルが原因の借金は、本人に自覚が生まれない限り繰り返され、解決は難しいと言われている。しかし、本人の努力と家族の協力さえあれば解決できる問題であることを、このケースは教えてくれた。