障がいを乗り越えて
相談者は40歳代の男性。発達障がいがあり計算が難しい特性を持っている。こだわりが強くまっすぐな性格で周りとのトラブルで仕事が長続きせず、失業中に借り入れをして生活をつないでいた時期があり、債務額は1社50万円のみであった。税金の滞納の相談に居住地の役所を訪れたことをきっかけに生活困窮者自立支援窓口へとつながり、支援員が毎回同席する形で当協会のカウンセリングが開始した。
初回カウンセリング当時は、障がい年金が月に6.5万円とパート勤務で月に8万円、合計14.5万円ほどの収入。勤務先の上司からは真面目な勤務態度を認められており、今後はフルタイムでの勤務も望めそうであった。弁護士カウンセラーは初回に介入を決定、月約1.3万円の積み立てを助言した。
相談者からは不安なことがあると問い合わせの電話が頻繁に続いたが、フルタイム勤務へのシフト変更がなされパート収入も倍増した。半年後には月に2万円ずつの返済で債権者に提案、24回払いで支払うこととなった。
初回の支払いを済ませたころ、また相談者から電話問い合わせがあった。振込手数料を削減するためにWeb口座を申し込もうとしたところ、クレジットカード申込が必要であったので断念した、とのことであった。手数料がかかったとしても口座自動引き落としの手続きを勧め、現在は遅れることなく支払いが続いている。
勤務先とは小さなトラブルは続いている様子であるが、まっすぐな性格をうまく活かし勤務が続いている。将来は勉強をして大学にも進んでみたい、という言葉が印象的であった。本人の努力が実を結ぶことを心から応援したい。